story

南インドに世界から賞賛を集める小さな出版社があります。
その名はTarabooks（タラブックス）。タラブックスでは、本のデザインから印刷、製本まで全て手作業で作品作りを行っており、工芸品のように美しいハンドメイド本を生み出す出版社として世界中から注目を集めています。

インドの先住民族の代表的なアーティストを起用し、伝統芸術を取り入れて作られる本は他民俗画家の権利保護に取り組むほか、社会問題を率先して扱い、職人の技術向上に努めるなど、本づくりへの姿勢でも世界的に支持を集めました。

五感を動かす絵本・・・
本に使われている紙は不要となった木綿を主原料とした手製紙で、ページをめくるたびにページごとにムラやシワがあり大量生産にはない独特の触り心地もアクセントになっています。

また、表紙をめくるとふわっとインクと紙の独特な香りが漂い、これが一枚一枚丁寧に作られた本だと実感する瞬間。作り手の想いを触れた指先から感じることができます。

waterlifeはインドの伝統芸術ミティラー画を取り入れ、作者のランバロス・ジャーが生まれ育ったガンジス川のほとりの生き物を中心に丁寧なタッチで表現されています。子供向けの絵本なので簡単な英文での表記ですが、どこかユーモラスに描かれた生き物たちのイラストを眺めているだけでもどこかほっとさせられます。
是非、手に取って五感で楽しんでいただきたい一冊です。